Greeting of Professor

ご挨拶

Greeting of Professor

ご挨拶

教授からのご挨拶

2020年5月1日付で、脳神経外科学講座・第3代教授を拝命いたしました。私は1997年に岡山大学を卒業、岡山大学医学部脳神経外科学教室に入局いたしました。大学病院、関連施設で脳神経外科臨床の基礎を学び、脳腫瘍に対する遺伝子治療の研究で博士号を取得しました。その後、米国Ohio State Universityへ留学し、脳腫瘍に対する腫瘍溶解ウイルスと分子標的薬との併用療法の研究に携わりました。帰国後、臨床面では、主に脳腫瘍の外科的治療を中心として、トルコ鞍部・近傍腫瘍に対する神経内視鏡手術、グリオーマに対する覚醒下手術、小児脳腫瘍手術を行ってきました。さらに、exoscope (外視鏡)による鏡視下手術の経験もあります。研究面では、脳腫瘍に対する遺伝子細胞療法、グリオーマ浸潤の研究、遺伝子解析、再生医療研究を行ってきました。特に遺伝子治療については基礎から医師主導治験までの橋渡し研究に携わっており、さらに国際的には、NIH、ノースウェスタン大学、テキサス大学、トロント大学、Brigham Women’s hospitalなどと共同研究を行っています。教育については、学生、研修医などの医学教育、また、英語教育にも取り組んできました。

ここ静岡県で、臨床力、研究力、教育力の三つを兼ね備えた脳神経外科医を育成したいと考えています。静岡地区の地域医療の拡充、脳神経外科医療の発展に全力で取り組んでいく所存でございます。

浜松医科大学 脳神経外科

教授 黒住 和彦

教室概要

臨床については、脳腫瘍手術は顕微鏡、神経内視鏡、外視鏡手術を行っております。グリオーマに対する覚醒下手術、頭蓋底手術、さらに当施設では4K内視鏡が導入されており、神経内視鏡手術、小児脳腫瘍手術を行っています。さらに、顕微鏡の代わりに外視鏡を用いた鏡下手術の経験もあります。また最近では、外来でがんゲノム医療におけるがん遺伝子パネル検査を行っています。ウイルス療法も認可されましたので当施設でも始める予定です。

血管障害については、外科治療に関しましては開頭、血管内治療を行っています。特に脳動脈瘤の血管内治療に関して、フローダイバーターステント、パルスライダー等の新医療機器を用いた治療、血管奇形に対してONYXを用いた塞栓術も施行可能となりました。虚血性脳疾患に関して、脳梗塞の急性期血行再建術(機械的血栓回収術)を積極的に行っています。

また当科の特徴の一つに「機能的脳神経外科」があり、パーキンソン病の運動障害や痛みなど生活の質を落とす疾患に対しても積極的に取り組んでいます。パーキンソン病、不随意運動症などに対する外科治療は、県内では当院が唯一の定位機能神経外科学会認定施設となっており、脳深部刺激術などの外科治療を数多く施行しています。

その他、脊髄・脊椎外科は内視鏡で手術をするFull-Endoscopic Spine Surgery (FESS)を始めました。

研究については、基礎研究、臨床研究と、さらにトランスレーショナルリサーチを行っております。私自身、脳腫瘍に対する遺伝子細胞療法、グリオーマ浸潤、遺伝子解析、再生医療などの研究を行ってきましたが、さらに、難波名誉教授時代からの研究テーマであるヒト脱落乳歯幹細胞(SHED)を用いた遺伝子治療も継続しております。また脳動脈瘤モデルを用いた脳卒中研究を行っています。国際的には、NIH、ノースウェスタン大学、テキサス大学、トロント大学、Brigham Women’s hospitalなどと共同研究を行ってきました。

教育については、学生、研修医などの医学教育、また、英語教育にも取り組んできました。パンデミック中でもポリクリはほとんど休むことなく行うことができました。大学院生には積極的に共同研究先への海外留学を勧めています。